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薬の話(3)咳の薬 [薬の話]

 咳がでる時には、咳止めが処方されます。昔から咳止めという薬はいろいろな薬が使われています。何種類もの咳止めが同時に出されることがあります。しかし、咳止めはどの程度効くものなのでしょうか?

 咳は多くの場合、喉の気持ち悪いのを治そうとして起こるものです。痰が絡んだ時は、気管に入るのを防ぐために咳がでます。咳は体が自分を守ろうとして起こるものなのです。そういう働きを押さえてしまう薬というのは、あまり期待できないということになります。効きがよくないので、何種類も出されるのかも知れません。

 子どもの咳の中には、鼻から来るものがあります。寝ている時に鼻汁が喉の奥に流れて、咳を起こすことがあります。「後鼻漏」と呼ばれます。2-3歳までのお子さんでは、多くみられます。鼻の治療をすることが大切です。

 4歳以上の子で春や秋になると咳がでて、長引くとか季節ごとに繰り返すという時には、アレルギーの咳を考える必要があります。小さい時に喘息があったり、湿疹がある子に多くみられます。この場合には、喘息の予防薬を少し長めに飲むと効果があります。

 咳の薬として気管支拡張剤が使われることがあります。飲み薬やテープの形で出されますが、この薬は咳止めではありません。気管支が弱いと診断されていない時は、咳止めとしては使わない方がいいのです。

 咳をしていると、周りの人は止めてあげたいと思うのは当然ですが、よく効く薬がないのが実情です。咳の原因がなにかということを考えて、薬を選んでいますが、ある程度は時間を待つ必要があります。

 
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薬の話(1)抗生物質 [薬の話]

 抗生物質は細菌を殺す働きを持つ薬です。細菌によって起こる「とびひ」や「溶連菌感染症」には効果があります。しかし、ウイルスには効きません。よくある風邪はほとんどがウイルスによって起こるので、抗生物質は効きません。

 しかし、風邪の時に抗生物質が出されることがあります。風邪から気管支炎や肺炎になったり、中耳炎になるのを防ぐことが期待されていると思われますが、効果ははっきりしません。それよりも抗生物質を何度も飲んでいると効かなくことがあります。薬に対して強い菌が増えてくるので、耐性菌と呼ばれます。本当に必要な時に薬が効かない方が問題です。とりあえず飲むというのは、止める方がいいのです。

 細菌によって起こる病気は抗生物質を飲まないと治らないわけではありません。細菌が原因となる百日咳やマイコプラズマ肺炎は、自然に治ることがほとんどです。診断がついた時には、すでに体が治そうとしていて、抗生物質を飲んでも飲まなくても変わらないということもあります。(2013.11.17)

 

 



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薬の話(2)鼻の薬 [薬の話]

 風邪をひいた時に、鼻水がでる、鼻がつまるということがあると、いわゆる鼻の薬が出されます。鼻の薬といわれているものは、抗ヒスタミン薬と呼ばれていて、ずいぶんと以前からよく使われています。

 抗ヒスタミン薬は眠くなることがあります。風邪薬を飲んだ時に、車の運転に注意しましょうといわれるのは、この副作用のためです。眠気を少なくしたものが、新しい抗ヒスタミン剤として発売されています。

 子どもでは、風邪の時に鼻の薬を飲むと、よく眠られていいとも考えられて来ました。しかし、最近の研究で、眠くなる薬は脳に薬が入っていくことがわかりました。眠くならない薬が開発されて、使われるようになりましたので、眠くなる薬はできるだけ避ける方がいいとされています。少なくとも長期に飲むのは止めた方がいいでしょう。

 鼻がつまったり、長く続く場合には、慢性副鼻腔炎(蓄膿)になっていることがあります。この場合には、抗ヒスタミン剤は効果が期待できません。
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家庭看護(3)熱がある時  [家庭看護]

 子どもが高い熱を出すと心配になるものです。保護者の方が一番心配されるのは、高い熱で脳に悪い影響をでるのではということでしょう。また熱でひきつけるのではないかという心配をされる方もあります。

 熱が出るのは、多くの場合、ウイルスに感染して、体が反応して熱を出しているのです。体が反応して出る熱はめったに体に悪い影響を及ぼすことはありません。41度までの熱が脳に影響することはないとされています。

 熱がある時はできるだけ過ごしやすくするために、暑ければ涼しいようにエアコンを使ってもかまいません。おでこを冷やすことは、熱を下げる効果はありませんが、スーッとして気持ちがいいようなら、使ってみて下さい。嫌がる時や6カ月以下のお子さんには使わないで下さい。

 熱は下げる必要はありませんが、機嫌が悪い時は、熱さましを使うと楽になります。38.5以上で機嫌が悪く寝られないという時には、熱さましを使ってもいいでしょう。                    (2013.11.2)

 
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食物アレルギー(1)食物アレルギーの現状 [食物アレルギー]

 食物アレルギーとは、食べ物が原因で様々な症状がみられものをいいます。幼い子では、卵や牛乳や小麦で、ぶつぶつがでたり、体がかゆくなることがあります。マスコミで命にかかわるような例が報道されると心配になりますが、多くの場合は重症になることはありません。

 食物アレルギーは原因となるものを食べた後に、ぶつぶつなどの症状がでることで診断されますが、湿疹がある時に、血液検査や皮膚の検査で陽性にでたということで、食物アレルギーと言われることがあります。検査が陽性の場合でも食べて症状がでないことは珍しくありません。

 1歳までにある食べ物でぶつぶつなどが見られた時に、多くの場合は3歳までには食べられるようになるものです。検査が陽性の場合も含めて、どのように食べることを進めていくかは、医療機関で相談していく必要があります。検査はしてくれるけれど、どのように食べるのを進めるかを教えてくれない医療機関は、食物アレルギーに詳しいとは言えません。

 食物アレルギーの子や食べ物アレルギーと言われている子は少なくありませんが、多くの場合は軽症です。しかし、中には重症になる子もあるので、正しい診断が大切です。重症になる子は厳密な食事制限が必要ですが、食べても問題がないのに制限をされている子をみることもあります。

 

家庭看護(2)入浴 [家庭看護]

 病気の時に、お風呂に入っていいかと聞かれることがあります。かっては、かぜの時や熱のある時は、風呂に入らないようにといわれたことがありますが、現在では制限されないことが多いようです。暑い季節や汗をかいた時は、さっとお風呂に入るほうが、寝やすいものです。お子さんが気持ちのいいようにと考えると、疲れない程度にきれいにしてあげるというのが、いいでしょう。

 寒い冬は、どうしても温めないといけないと思うと、疲れることになります。お部屋を暖かくしておいて、風呂では温めすぎないというのがいいでしょう。本当は、お風呂がもっと暖かい場所であるといいのですが。

 日本では、お風呂に入っていいというのは、病気が軽いということや病気が治ったということを意味していたようです。病気が治ったからお風呂に入ろうかという気持ちだったのでしょう。公衆浴場に行くのが当然だった時代は、健康で元気でなければ、お風呂に入る気になれないということもあったかもしれません。気軽に入ることのできる現代では、お子さんが気持ちよくなれる形の入浴というものがあって当然だと思われます。
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家庭看護(1) 基本は気持ちよく過ごせること [家庭看護]

 お子さんが病気になったら、入院する時以外は家で看護することになります。病院では薬の飲み方や熱さましの使い方は説明してくれますが、家での過ごし方についての説明をしてもらえないこともあります。

 どんなものを食べさせたらいいのか、お風呂に入れていいのかなどについて、知りたい方もあるでしょう。家庭での看護については、これが絶対ということはありません。時代によって変わることがあります。

 一番大切なことは、お子さんが気持ちよく過ごせるようにすることだと思います。お子さんのほとんどの病気は自然に治るものですから、看護の仕方が悪いからといって、病気が長引くということは考えにくいことです。それなら、病気でつらい時をできるだけ過ごしやすくしてあげるのが、いいということになります。
                                                           (2013.6.3)
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風邪(1) 風邪て何? [風邪]

 熱や鼻水、咳で小児科に行くと、風邪といわれることがあります。中には患者さんの保護者から、風邪をひきましたといわれることもあります。風邪とは何かを正確にいうことは難しいのですが、ほとんどの人が、熱がでたり、咳がでたり、鼻水がでるものをイメージすると思います。

 風邪とは、主にウイルスの感染によって、鼻やのどに炎症が起こり、結果として咳、のどの痛み、鼻水、鼻づまりなどが起きるものをいいます。熱がでたり、頭痛を起こすこともあります。

 夏風邪と呼ばれるものがあります。ヘルパンギーナ、プール熱という主に夏にみられるものは、熱は出ますが、鼻や咳がほとんどなくて、お腹をこわすことがあります。本来の風邪とは少し症状が違います。

 ウイルス性胃腸炎が「おなかの風邪」と呼ばれることがあります。吐くとか下痢という症状が中心なので、これも本来の風邪とは違います。最近は、原因となるノロウイルス、ロタウイルスがよく知られるようになったので、ウイルスによる胃腸炎と言われる方が多いでしょう。(2013.11.3)

 




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