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薬の話(4)熱さまし [薬の話]

 熱が高い時に、熱さましが使われます。子どもの熱さましに使われるのは、主にアセトアミノフェンという薬です。熱が下がり過ぎることがなく、どんな場合でも使えます。大人に使われる薬は、子どもに使わない方がいい場合がありますので、注意しましょう。

 アセトアミノフェンは、シロップ、坐薬、粉薬、錠剤という形で発売されています。2歳までくらいのお子さんでは、坐薬が使い安いでしょう。少し大きくなると坐薬を嫌がることがあり、粉薬やシロップを使うことが多くなります。薬の効き方には大きな差がないとされています。

 アセトアミノフェンは、服用してから30分くらいで効きはじめて、1-2時間がピークで、4-6時間もすると効果がなくなります。6時間間を空けたら、また使っていいというのは、影響がなくなるからということです。

 熱さましは痛み止めの働きもします。年齢の大きい子では、頭が痛い、のどが痛いなどの時に、熱がなくても痛み止めとして飲んでもかまいません。

 熱さましは高い熱を平熱に下げるために使うものではありません。高い熱を下げる必要はないからです。熱が少しでも下がったり、痛み止めになれば、お子さんのつらさを減らすことができるでしょう。
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薬の話(3)咳の薬 [薬の話]

 咳がでる時には、咳止めが処方されます。昔から咳止めという薬はいろいろな薬が使われています。何種類もの咳止めが同時に出されることがあります。しかし、咳止めはどの程度効くものなのでしょうか?

 咳は多くの場合、喉の気持ち悪いのを治そうとして起こるものです。痰が絡んだ時は、気管に入るのを防ぐために咳がでます。咳は体が自分を守ろうとして起こるものなのです。そういう働きを押さえてしまう薬というのは、あまり期待できないということになります。効きがよくないので、何種類も出されるのかも知れません。

 子どもの咳の中には、鼻から来るものがあります。寝ている時に鼻汁が喉の奥に流れて、咳を起こすことがあります。「後鼻漏」と呼ばれます。2-3歳までのお子さんでは、多くみられます。鼻の治療をすることが大切です。

 4歳以上の子で春や秋になると咳がでて、長引くとか季節ごとに繰り返すという時には、アレルギーの咳を考える必要があります。小さい時に喘息があったり、湿疹がある子に多くみられます。この場合には、喘息の予防薬を少し長めに飲むと効果があります。

 咳の薬として気管支拡張剤が使われることがあります。飲み薬やテープの形で出されますが、この薬は咳止めではありません。気管支が弱いと診断されていない時は、咳止めとしては使わない方がいいのです。

 咳をしていると、周りの人は止めてあげたいと思うのは当然ですが、よく効く薬がないのが実情です。咳の原因がなにかということを考えて、薬を選んでいますが、ある程度は時間を待つ必要があります。

 
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薬の話(1)抗生物質 [薬の話]

 抗生物質は細菌を殺す働きを持つ薬です。細菌によって起こる「とびひ」や「溶連菌感染症」には効果があります。しかし、ウイルスには効きません。よくある風邪はほとんどがウイルスによって起こるので、抗生物質は効きません。

 しかし、風邪の時に抗生物質が出されることがあります。風邪から気管支炎や肺炎になったり、中耳炎になるのを防ぐことが期待されていると思われますが、効果ははっきりしません。それよりも抗生物質を何度も飲んでいると効かなくことがあります。薬に対して強い菌が増えてくるので、耐性菌と呼ばれます。本当に必要な時に薬が効かない方が問題です。とりあえず飲むというのは、止める方がいいのです。

 細菌によって起こる病気は抗生物質を飲まないと治らないわけではありません。細菌が原因となる百日咳やマイコプラズマ肺炎は、自然に治ることがほとんどです。診断がついた時には、すでに体が治そうとしていて、抗生物質を飲んでも飲まなくても変わらないということもあります。(2013.11.17)

 

 



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薬の話(2)鼻の薬 [薬の話]

 風邪をひいた時に、鼻水がでる、鼻がつまるということがあると、いわゆる鼻の薬が出されます。鼻の薬といわれているものは、抗ヒスタミン薬と呼ばれていて、ずいぶんと以前からよく使われています。

 抗ヒスタミン薬は眠くなることがあります。風邪薬を飲んだ時に、車の運転に注意しましょうといわれるのは、この副作用のためです。眠気を少なくしたものが、新しい抗ヒスタミン剤として発売されています。

 子どもでは、風邪の時に鼻の薬を飲むと、よく眠られていいとも考えられて来ました。しかし、最近の研究で、眠くなる薬は脳に薬が入っていくことがわかりました。眠くならない薬が開発されて、使われるようになりましたので、眠くなる薬はできるだけ避ける方がいいとされています。少なくとも長期に飲むのは止めた方がいいでしょう。

 鼻がつまったり、長く続く場合には、慢性副鼻腔炎(蓄膿)になっていることがあります。この場合には、抗ヒスタミン剤は効果が期待できません。
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