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がき先生の主張(1)病名よりも症状が大切 [がき先生の主張]

 近頃は、保護者の方から、何という病気ですかと聞かれることがよくあります。感染する病気の原因になるウイルスや細菌の検査が簡単にできるようになったからです。

 インフルエンザ、ロタウイルス、アデノウイルス、RSウイルス、ノロウイルス、溶連菌などの検査が、その場でできるようになって、以前は、「ウイルスによる胃腸炎です」「かぜです」と説明していたのが、ウイルスの名前で病名をいうことができるようになりました。

 病気の原因がわかることはいいことなのですが、あまりそれにこだわると、困ることもあります。保護者の方は、病名を聞いて、大変な病気なのではと心配されます。お子さんが元気なのに、病名を知るために、病院を受診するのは必要ありません。時には、保育園からどういう病気か調べるために、病院に行くようにと言われることもあります。

 子どもの病気は、同じ病気でも軽い場合もあれば、重症になることもあります。ノロウイルスも健康なお子さんでは、ほとんどの場合は自然に治ります。しかし、吐くのが続いて脱水になれば、点滴や入院が必要になることがあります。ノロウイルスといわれなかったから、大丈夫ということにはならないのです。

 子どもの感染症は、ほとんどの子が自然になおります。どういう病名かということより、お子さんの状態がどうなのかということを、小児科医は見ています。病名がわかるということは、役に立つことが多いのですが、それにこだわり過ぎると、弊害もあると思います。
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